「日本人は、なぜあんな危険なことをするの?私たちは顔にカミソリなんて決してあてません」化粧品メーカーにいたころ、フランスから来日したスタッフにこういわれたことがあります。確かに日本人にとって、顔の産毛を剃るのはスキンケアのひとつのようになっていますし、花嫁のお化粧のノリをよくするために、産毛を剃るのは「ブライダルエステ」の常識となっています。でも、「肌に透明感が出る」とか「メイクのノリがいい」という面だけがクローズアップされて、肌への悪影響についてはあまり知られていないように感じます。最近では床屋さんでの顔剃りや、エステの顔剃りパックなどもポピュラーになり、なかには、「角質が取れて肌がツルツルになる」などという人もいますが、これは白い湯呑みについた茶渋をナイフで削り取るようなもの。取れているのは角質だけではありません。もっとも日本人は毛の色が濃いので、どうしても目立つということはあるのですが、その場合はせめて、目元と口元は3〜4ヵ月に1回、頬は4〜5ヵ月に1回程度、T字シェーバーで上から下へ軽く剃る程度にとどめたほうがいいと思います。「産毛」というのはその名のとおり、産まれたときから生えているもの。クッションのような働きをしたり、保湿をするなど、肌を護ってくれている大切なものです。果物の桃にもうっすらと産毛が生えていますが、あれも外敵から身を護ったり、雨水をはじいたりするためのガードだといいます。顔を洗いすぎると肌が悲鳴をあげて脂を搾り出すのと同じように、ガードをなくしてしまった肌は自己防衛本能として、肌を硬くします。
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